アリかアリ以外か
会社の工場の外にある蛇口で手を洗っていると、壁を動く小さな虫が目に留まった。
なんだ、アリか。
ん!?
つい二度見した。
よく見るとカマキリの幼虫ではないか。
しかも複数。10匹以上はいそうだった。
すでにクモの巣にかかっているのも数匹。
種類が気になり、すかさずネットで調べた。
どうやらハラビロカマキリの幼虫ということらしい。腹部が上に反りかえっているのが特徴だそうな。
さらに調べると「暖かいところを好み、関東より南にすみつく」とある。
ここは東北。
・・・。
これって・・・、レアってことか??
こうなったら成長を見届けて、本当にハラビロカマキリか確認せねばなるまい。
つまり飼ってみるということだ。
とりあえず3匹確保。
エサはショウジョウバエなどが適しているようだ。バナナなどでおびき寄せて集めるといいらしい。
さっそく空いたペットボトルを加工。その中にバナナを少しだけ投入して外にセット。
これがまた約一時間ごとに確認しに行ってもなかなかコバエも入っている様子もない。
挙句の果てに帰り際に見に行ったら、ペットボトルごと跡形もなくなっていた。
・・・。
とりあえず、帰ってから家にあるミルワームでも与えてみるとするか。
帰宅後、家にあったミルワームの中から出来るだけ小さなものを選んで与えてみたが、全く食いつく気配もなし。
これだけ小さいカマキリの幼虫へのエサやりは一筋縄ではいかなそうだ。
自然に返すか・・・。
生き残れよ。
本当にハラビロカマキリの幼虫だったかはわこらない。謎のままにしておこう。
秋にまた会えたら。
そのときまでハラビロカマキリの成虫の特徴を覚えておかないと。見分けられるように。
待てよ。
向こうは俺の見分け方、わかるのか?